NPO法人CLAP
余暇活動は、生活の質を構成する重要な要素の一つです。人々の生活をリフレッシュさせ、活力を与えるものです。それは知的障がいなど発達に障がいのある人にとっても同様です。
しかし、豊かな生活を目指して文化活動やスポーツ・レクリエーションの向上の重要性が述べられる一方で、知的障がいのある人々が活動を行う機会や場所が少ないことを感じてきました。
特に、知的障がいのある人は学齢期を過ぎると休日はテレビを見るなどで家にいることが多くなり、人との関わりが少なくなることや、保護者の高齢化により子供との外出が困難になると、一層家に引きこもりがちになることが多くなります。また、出かける場合は家族と一緒や一人で出る場合が多く、友人と一緒に出かける人は少ないです。
また、障がいのある人で就職をしている人についても、平日仕事帰りに寄り道をする人は少なく、家で独りでテレビや音楽を楽しむ人が多くいます。家で過ごす内容は決まって単調になりがちで、選択肢が少ない中で余暇を過ごす人が多いのが現状です。
学齢期を過ぎて通所施設や一般企業への就職と進み社会人になっても、障がいのある人の余暇の現状が年齢相応ではないことや、活動場所が限られているため人との出会いが少なく、そのことでコミュニケーション能力などを培う機会も得にくいこと、体を動かす機会が少ないため運動不足の人が多いことなどを少しずつでも改善していく環境を作っていきたい・・・との思いから
「知的障がいのある人たちが仕事帰りに寄れる場所、ダンスを通して仲間づくりと運動不足解消を行うこと」を目的として「STREET JAM」が誕生しました。
ダンスを楽しむだけの活動から、発表をする機会が増え、発表に向けた目標を持つ活動へと変わっていきました。STREET JAM発足から、活動に賛同、理解をしていただけるご家族や地域の関係機関より多くのご協力とご支援をいただき、現在では一つの区に限らず、様々な区市からの参加があり会員数も増えてきました。
会員数が増えていくと同時にそれぞれの地域での活動が年々内容の幅を広げ、充実していきました。そうした活動を続ける中で気づくことは、人によって自分を表現することが難しい人もいますが、活動をしている姿は実にいい表情をしています。その表情を多くの障がいのある人たちにも伝えたいと思いました。
そのために、安全に活動をしていくためには、運営を組織化し、地域社会と協力しながら、より一層の支援をしていただきたいという願いから、特定非営利法人CLAPを設立することにしました。
このことによって、社会的信頼を受け、地域社会の方に認知していただき、少しずつですが問題解決をしながら、一人でも多くの方に生涯スポーツを楽しむきっかけを提供し、余暇活動が受容的なものから能動的なものへ、そして創造的活動へと展開できるような環境づくりを目指し、活動をしていきたいと思います。